FARGOシーズン1 第6話「ビュリダンのロバ」あらすじレビュー(ネタバレ)

FARGOシーズン1

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海外ドラマ「FARGO」シーズン1の第6話はおそらくシーズン1の中で最も面白いエピソードだ。大寒波の大雪で美しい白銀の世界の中、次々と怒涛のように需要な出来事が起こる。
レスターの行動についてはどうもコメディっぽすぎてシリアスさに欠けるものを感じてしまうのだが、とりあえずそれについては考えないようにしておこう・・・。

何かが欠けている男

手の怪我の治療で入院しているレスターの病室の入り口には、警官が常に見張っていて彼が勝手に退院することができなくなっていた。

自分の身を守るためあれこれ頭を巡らせていると、弟のチャズが見舞いにやってきて言った。
「何かやったのか?」「兄さんは嘘をついている」
そんな弟に平気で嘘をつくレスター。
「弟なんだから信じろ」「誓って何もやっていない」
素知らぬ顔で言うの兄をもはや一切信じていないチャズは言う。
「兄さんには何かが欠けてる、ずれてるよ」

まさにこの言葉がレスターを表すのに一番的確な言葉だ。
本当にこの男には何かが欠けているのである。
気持ち悪いほど良心の無い男なのだ。

弟を見て恐ろしい作戦を思いついたレスター

病院から抜け出すことに成功

レスターとたまたま同じ病室で寝ていた患者は、顔中に包帯を巻いて意識がない状態だった。
レスターは自分の顔に包帯を巻いて隣の患者とベッドを入れ替わった。
そのことに気付かない看護師はレスターが寝ているベッドを病室の外に運び出し、彼は看護師が目を離した隙に逃げ出して見事病院から抜け出すことに成功したのだ。
う、う〜ん・・・マンガっぽい・・・
こんなうまくいくわけない気がする・・・・・・

血を分けた兄弟でさえも躊躇なくハメる

自宅に戻ったレスターは、地下室の壁の穴に隠してあったハンマーを取り出す。
さらに、死んだ妻パールの写真と彼女の下着を持って、弟チャズの家へ向かう。
・・・・・彼は本当に恐ろしい計画を進めていたのだ。

彼は留守の家に忍び込み、自宅から持ってきた凶器、パールの写真と下着を弟のガレージのわざと見つかりそうな場所に隠した。
この時、ガレージに飾ってあった弟家族の写真、そこに写っていた弟の子供(レスターの甥っ子)の写真がレスターを見つめていた。
彼はその写真を見て一瞬動きを止める。
普通だったら、ここで思いとどまってやっぱり弟をハメる作戦はやめた・・・という流れになるだろう。
しかしこの男はそんな普通の人間ではなかった。

幼い甥っ子でさえも躊躇なく利用する

レスターは弟のガレージから拳銃を取り出し、それをなんと甥っ子のバッグに入れたのだ。
つまり写真を見ていたのは、良心の呵責にさいなまれていたわけではなく、ただ甥っ子を利用する作戦を思いついていただけだったのだ。

そしてレスターは弟の家を去り、うまく隣のベッドの患者を装って病院に舞い戻る。
まんまと何も無かったように自分の病室に戻ることに成功するのだった。
それにしてもレスターが病院を抜け出して舞い戻る方法はマンガっぽすぎて現実的に可能だとは思えない。
こんなにうまくいくわけないじゃないか・・・
本当にこのドラマは実際に起きた事件に忠実に描かれたドラマなのだろうか???

マルヴォが進めた残酷な作戦

マルヴォは脅迫の手伝いをさせていたスポーツインストラクターのドンに、弾の入っていないライフルを持たせたまま縛り付けて動けなくする。
「これでスタヴロスが通報しても警察を足止めできる」
彼はそう言って窓から周辺に発砲し、自分はその家から脱出した。

コメディ要員を残酷に殺すのが得意なドラマ

マルヴォの作戦通り、周辺の住民の通報によってたくさんのパトカーがかけつけてドンの家を包囲。
武装した警察がドンの家に突入してきた時、薄暗い廊下でライフルを持っている人影が見えた。
彼らは縛り付けられて動けないドンに集中砲火。ドンは大量の銃弾を浴びて命を落とす。

ずっとコメディ要員としてふざけた事ばかりやっていたドンがこのような残酷な死に方をするとは・・・このドラマの第1話でのパールの死に方もそうだったが、このような演出はこのドラマの得意技なのだろう。
確かにコメディ要員が残酷に殺されると、その残酷さがますます引き立つような気がする。

マルヴォ vs 殺し屋の対決

吹雪のイメージ

ドンの家を出てどこかへ移動していたマルヴォ。
吹雪の中、車を走らせていると、突然前後の車にはさまれて車を止められた。
そして前後の車から出てきた殺し屋がライフルを容赦なく発砲しながら迫ってくる。
このドラマ初のマルヴォ絶体絶命の危機!
今回の相手は素人ではなく自分と同じプロの殺し屋なのだ。

極端に視界が悪いのがマルヴォに味方した

大吹雪で1、2メートル先も見えないような真っ白の白銀の世界。
見通しが悪過ぎて殺し屋はマルヴォを見失っていた。
マルヴォは自分の腕をナイフで切って血を流し、わざと地面に血痕を残して殺し屋をおびき寄せる。
作戦にハマった殺し屋はまんまとマルヴォに後ろから襲われ、残酷にも喉を切られて死ぬ。
最後に誰の差し金かをマルヴォが聞くと、ファーゴだと殺し屋は言った。

またまたマルヴォと出会う運命のガス

ちょうどその時、すぐ近くのカフェでお茶していたのがなんとモリーとガス。
騒ぎを聞きつけた二人は急いで現場に向かう。

しかし大吹雪のせいで全く周りが見えない状態。ビビりまくって逃げ腰のガスはモリーとはぐれてしまう。
その時ガスの前方で発砲音。パニクったガスはガスは、前方にいる相手が誰なのかを確かめずに発砲。
その弾は見事に命中し、ガスが倒れた人影に近づくとそこにはモリーが倒れていた・・・。

このタイミングで魚が降ってくるって・・・

マルヴォの指示を受けたドンから電話で駐車場に呼び出されたスタヴロス。車の中から大雪を見ていると、昔自分が大金を見つけた時のことが頭に浮かんできた。
そのことが頭に浮かんできたこと自体が啓示か何かだと思い込んでしまった彼は、つまり自分が大金を見つけた場所に金を戻すのが正解なのだと考える。

そしてその記憶の通り、かつて自分が金を見つけた場所にやってきて、雪の中に金を埋める。
しかしこの時、まさかの天変地異が発生。
スタヴロスの部下とスタヴロスの息子の乗る車に大量の魚が空から落ちてきて、車は道路脇に突っ込んで大破。
車に乗っていた二人は死に、彼が一番恐れていた事態が現実のものとなってしまうのだった。

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