ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 第5話「忠誠」考察(ネタバレ)司令官・妻・運転手それぞれと秘密を共有するオブフレッド

ハンドメイズ・テイル

出典:Huluプレミア「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」(C) 2017 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.

オブフレッドは司令官の部屋でゲームすることで司令官と仲良しになったようだ。
ゲームしているオブフレッドは酒を飲みながらリラックスした様子で口調もなんだか馴れなれしい。
超話題の海外ドラマハンドメイズテイル第5話のタイトルは「忠誠」となっているが、これは誰の誰に対する忠誠を意味しているのかはちょっとよく分からなかった。

セリーナからの意外で危険な提案

そんなある日、司令官の妻セリーナ・ジョイがオブフレッドにまさかの提案をしてくる。
それはなんと・・・司令官が種無しだから子供ができないのかもしれないから、運転手と試してみてくれないかというもの。

セリーナ・ジョイが子供を産めない身体だからその代わりにオブフレッドが司令官の子供を産むのかと思っていたのだが、運転手とオブフレットの間の子供となってくるともはや司令官とセリーナは全く関係ない他人の子供ということになる。
セリーナとしてはとりあえず自分の家に子供が出来るということこそが最優先事項ということなのだろう。

それにしても司令官といいセリーナ・ジョイと言い、考え方が完全にこの異様な世界に染まっているのかと思いきや、どこか普通っぽいことを言い出すことがある。
この中途半端さがこの作品のクオリティを下げているのではないかという評価を持ってしまう。

回想シーンのオブフレッドが全く若く見えない・・・笑

過去の回想シーンではオブフレッドが夫ルークと出会い、恋に落ちていくストーリーが描かれている。
この、夫ルークと出会ったシーンやらランチしているシーンやらのときのオブフレッドが何歳という設定なのか具体的な説明がなくてよく分からないが、この後結婚して子供が生まれるわけだから何年かは昔の設定なのだろう。

しかし、前から思っていたのだが、回想シーンのオブフレッドは外見が現在のオブフレッドとほとんど変わらないような感じであまり若くは見えない。
何年前なのか分からず、見た目も今とほとんど同じなのでは、ハンドメイズ・テイルを見る人にとっては本当にちょっと前のことにしか感じられないのは無理もない話ではないかと思う。

短期間で人々の思想がここまで変わるのか?という違和感

ここまでこのドラマを見て個人的に一番違和感を感じているのが、そんなに短期間でここまで社会的な常識?人々の考え方の主流となるもの?が変わるのだろうかということだ。
司令官のような人がごく少数派だというなら分かるが、この海外ドラマではオブフレッドのような以前の考え方を捨てきれていない人間は侍女くらいで、他の一般的な男性も女性もこの異様な世界に何の異議も唱えずそのまま暮らしているのが変なんじゃなかろうか。

こんな短期間の間の出来事ならば、以前の社会の価値観を持ったままの人がほとんどであるはずで、大多数の人がそうなら、このような社会に異議を唱える人がむしろ多数派であるほうが自然に思える。
つまりオブグレンのような反対派が地下勢力?少数派?として描かれていることに違和感を感じる。

オブフレッドがなぜかモテるのも謎・・・

儀式の日、昼間に運転手と試したオブフレッドはその夜に司令官との儀式を行う。
儀式の最中、司令官はいつもと違った雰囲気でオブフレッドを見つめ、オブフレッドはセリーナ・ジョイに何か気づかれるのではないかと怯える。

司令官も運転手もどうやらオブフレッドに惚れているのかもしれないが、一体なぜオブフレッドがこんなにもてるのか謎である。笑
子供を産むことができる女性に男性は惹かれるという設定なのだろうか??
それならそうということをなんらかの形で示してもらえると分かりやすい。

生物学的な役割を果たすために女性を保護するシステム

儀式の時の態度に不満を持ち部屋に怒鳴り込んできたオブフレッドに、司令官が自分の考え方を話すシーンがある。
以前の社会における不満、希望、選択、自由、愛などはすべてでっち上げや幻想にすぎず、今の社会では女性は尊敬され生物学的な役割を果たすために保護されており、それこそ(子供を産むことこそ)が生きる意味であり、自分たちはより良い世界を実現しようとしているのだというもの。そしてそのために犠牲となる人もいるという考え方。

実際、オブグレンの後任としてやってきた侍女は、以前の社会では路上で身体を売って生きていたが、今の社会では保護されて皆に優しくされているのでその邪魔をしないでほしいとオブフレッドに伝えている。

この司令官のような考え方の人間がいるということ自体は信じられない話ではないが、社会のほぼ全体の考え方が短期間のうちに入れ替わってしまっていることに不自然さを感じてしまうのである。
今後のエピソードで納得させてくれるのならいいのだが、うやむやなままで話が完結するのだけはやめてほしい。

運転手の秘密も握り親密さを増すオブフレッド

司令官の部屋を後にしたオブフレッドは突然吐き気を覚えてキッチンに駆け込む。(これはもしかするとつわりなのでは?)
そこにひょっこり現れたのは運転手。オブフレッドが問い詰めると運転手は自分が「目」(監視役)であることを告白する。

それで何を考えたのか、何か作戦でもあるのか知らないが、オブフレッドは翌日運転手の部屋に押しかけてもう一度関係を持つ。
態度から察するにやはり運転手はオブフレッドに惚れている模様だ。
そもそもセリーナ・ジョイの頼みだからと言って「目」である運転手が本来やってはいけないことをオブフレッドとやってしまっているあたり、今後オブフレッドがうまく利用して自分に有利な展開に持っていくためのネタにするのかもしれない。

オブグレンの意味無き反抗に勇気をもらうオブフレッド

オブフレッドはマーケットのような場所でオブグレンと出会い、「メーデー」に協力するように言われる。
その後オブグレンは突然お偉いさんの車を奪ってそこらじゅうを暴走しだす。
そして警備員をひいてしまうのだが、そのとき車に踏みつけられた警備員の身体がぐっちゃぐちゃに飛び散る。

あのサイズの車に踏みつけられて人間の身体はあんな風にド派手に飛び散ることがあるのだろうか?
このような地味で静かな海外ドラマで突然あのような見た目だけ重視の演出をするのはどうなんだろう?

オブフレッドはオブグレンがとった行動にもまた勇気をもらったようで、セリーナ・ジョイへの態度がどうも生意気な感じになってきているように思える。
会話中にセリーナの後ろにあるハサミのあたりを見ていたようだが、それは今後の伏線か何かなのだろうか。
司令官と親しくなり、セリーナ・ジョイや運転手の秘密(弱み?)も握ったオブフレッドがこの後どんな行動に出ていくのか、ハンドメイズ・テイルの今後に期待だ。


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