クリント・イーストウッド映画「運び屋」を見た感想(ネタバレ)

映画「運び屋」

(C)2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

評判が上々の映画「運び屋」はクリント・イーストウッドが監督と主演を務める2018年の映画。
事業に失敗して金に困った主人公アールが麻薬組織の運び屋をはじめて抜けられなくなっていくストーリーとなっている。
※この記事は映画「運び屋」の簡単なあらすじと実際に見た感想を書いているネタバレ記事です。意図せず読まないようにご注意ください。

映画「運び屋」あらすじ

クリント・イーストウッドが演じる主人公アールは、10年くらい前までは花を栽培する事業で成功していたが、時代の波に逆らえず彼の商売は衰退。やがて仕事を続けられなくなって従業員も解雇して家も手放すハメになる。
バリバリ働いていた頃に彼が家庭を顧みず家族をないがしろにし過ぎて、妻や娘には既に縁を切られていた。

家を手放したため行くところが無くなった彼はただひとり彼に優しくしてくれる孫娘のところに行くが、そこで妻や娘とばったり鉢合わせてギャーギャー文句を言われ、その場を去ろうとした時、孫娘の知人が彼のところにやってきて、安全運転するだけで金がもらえる仕事があるという。

金に困っていた彼は早速その仕事を始めるが、それは麻薬組織の運び屋の仕事だった。
彼は最初は一回だけで辞めようと思っていたが、その報酬が驚くほど高く、ずるずると続けてしまう。

映画「運び屋」を見た感想

ネットでの評判は上々の本作「運び屋」だが、個人的にははっきり言って大したことなかった。
クリント・イーストウッドが演じる主人公のアールは気丈な老人なのだが、そのタフ路線のキャラ設定も中途半端でちょっと気が強い程度。
もうちょい強くて銃とかもバンバン撃っちゃうキャラだったら笑えたのだが、割と普通の老人なのだ。
また、彼はちょっと遊び人?というか気まぐれで適当っぽい性格でもあるのだが、これもまた中途半端でそれほどなわけもないっつー・・・

家族の態度の豹変に白けた

一番白けるのが彼の家族。
彼の妻は、最初に孫娘の家で鉢合わせた時はあれほど憎しみを込めて文句ばかり言ってきたはずなのに、彼が運び屋の仕事で得た大金を持って行くとコロッと態度が変わる。
あの豹変っぷりは気持ち悪いとしか言いようがない・・・

裁判のシーンはいらなかったのでは?

さらに意味が分からないのはアールの娘。
アールと娘の人間関係が修復されたその直後にアールは逮捕されるわけだが、その裁判の時に傍聴席にいた娘は全然怒ったり呆れたりしてる様子もなく、なぜかベタベタのよくあるアメリカ風家族で涙ながらに愛してるとかなんとか。

長年縁を切ってた父親がようやく戻ってきたと思ったら今度は麻薬の運び屋をやってて、娘の結婚式に出した金もそれで稼いだ金だったとか・・・修復しかけた関係が再び破綻しないのはなぜ??
これだったら家庭を顧みずに外で仕事ばかりしてた頃のほうがマシだったと考えるのが普通ないように思う・・・

一応最後まで見れる映画だが・・・

派手さ重視とかお涙頂戴のうんざり映画ではないので、最後まで見るのは苦痛ではない。
しかし、緊迫感のある展開が待ってるわけでもなく、どんでん返しのラストが待ってるわけでもない。
淡々と運び屋をやって、逮捕される時も淡々・・・

主人公がかっこいいわけでもなく、びっくりするような悪人なわけでもなく、突出した遊び人なわけでもなく、ちょっと気が強くて中途半端に遊び好きの普通のお爺さん。
せめて逮捕される時くらいもうちょっと目が離せない展開にして欲しかった。

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