ウォーキング・デッドはなぜここまでつまらなくなったのか？

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最終更新日：2019.11.22

海外ドラマというジャンルにおいて定番中の定番で日本でもかなりの人気を誇っているウォーキング・デッド。
みんな観てるし面白いって言われてるから・・・そんな感じで観てる人は多いだろうが、実際に観た多くの人が感じているはず。

「・・・え？？？このドラマのどこが面白いの？？？」

確かにウォーキング・デッドはシーズン3くらいまではかなり面白かった。もう少し優しい目で見るなら、シーズン5くらいまでは結構面白かった。
そのため最近になってシーズン1から見始めた人は面白いと感じていることだろう。
しかし、シーズン6以降、特にシーズン7の二話目以降の酷さったら・・・もう観てられないほど退屈。これまでの惰性で観てる人が大半だと思うが、よくいまだに人気海外ドラマ扱いされてるよなと不思議になるほど。

ちなみにシーズン7の1話目の衝撃はウォーキング・デッドの歴史の中で間違いなく最強の衝撃だったため、もちろんつまらないわけがなく、このディスり記事からは完全に除外したいと思う。

衝撃を受ける展開が単発でスピード感が続かない

(C)2016 AMC Network Entertainment LLC. All rights reserved.

シーズン7の1話目では最大の衝撃展開となったが、このドラマはその衝撃的なスピード感がどうしても続かない。
かなり頻度は低いが、ごく稀に「マジか〜！！」みたいなのは確かにある。
例えば、シーズン9の最後のほうでもかなり衝撃を受けることがあるのだが、その後の最終話の酷さったら・・・この最終話を作る必要があったのか？と思うほど酷い。

シーズン8ではニーガンたちとリックたちによる戦争が描かれるエピソードもあるのだが、これすら緊迫感に欠けていて全くドキドキしなかった。
正直どうして戦争のストーリーをここまでスピード感に欠けて退屈なドラマに出来るのか不思議でさえあった。
本当だったらエゼキエルたちが援軍に駆けつけて虎がニーガン軍に飛びかかるシーンなどは「ウォーー！！」みたいな盛り上がりがこっちに伝わってきても良さそうなものだが、そのシナリオがあまりにも見え見えだったためか「やっぱりね」感が強くて観てるこっちは全然盛り上がることが出来なかった。
個人的にはもっとこの虎に豪快に活躍してほしかったし、ダリルやキャロルにも存分にその容赦ない戦闘能力を発揮してほしかった。

メソメソ、グズグズが多過ぎ・・・

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一番観てられないと感じるのが、メソメソ、グズグズ、しんみり、みたいなの多すぎるということ。
メソメソしながらグズグズ語るシーンとかは観てるこっちがイライラしてくる。
長い旅路で心に傷を負った人々が遠くを見つめて慰め合うような雰囲気とか、最後にちょっとだけならいいのだがいつもそういうのばっかりなので本当にやめてほしい。

人間の心理をリアルに描くのはクオリティの高いドラマには必要なことなのかもしれないが、そればっかりになっちゃってるので盛り上がるポイントがなくなるのだ。

主役のリックが魅力に欠ける

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登場人物はニーガン以外みんなそういう雰囲気を出したがるのでろくなキャラがいないのだが、そもそも一番悪いのはやっぱり主役のリック。
リックはシーズン3あたりから自分がリーダーであるプレッシャーでグズグズ悩み始め、一気に勢いを失ってしまった。
シーズン4はリックの失速によって一気につまらなくなったシーズンだったが、最後に終着駅でコンテナに閉じ込められた時、周りが万事休すっぽいあきらめムードだった中で、リックが「いや、まだだ」と突然やる気MAX戦闘モードになる。
この時のリックの凶暴性には正直ワクワクした。

しかしその後リックの凶暴MAXモードは続かず、舞台がアレクサンドリアになった頃から物語の盛り上がりポイントのなさったらもう救いようがなくなってしまった。

主役よりもニーガンを応援したくなる体たらく・・・

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シーズン7以降を観ていて多くの人がニーガンのことを好きになっていたのではないだろうか。
私ももちろんそのひとりだし、知り合いに聞いてもみんなニーガンがカッコいいという評価だった。
リックとニーガンの根本的な違い、それは暗いか明るいかということじゃないかと思う。

ニーガンはグズグズ悩むようなそぶりは全く見せず、いつも強気で決断力のある人物。
怖いけど明るいその雰囲気こそがカリスマ性というものだろう。

対するリックはとにかく暗い。
昔はよかったかもしれないが、最近のリックには特筆すべきリーダーの素質やカリスマが感じられない。
あんな暗い目をした人に誰が着いていきたいと思うのだろう？

モーガンという最強男の功罪

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モーガンはこのドラマをかなりつまらなくしているキャラだ。
モーガンは棒使いとしてとても強い。普通に対決したら誰も敵わないほど強いスキルを持っている。
棒術だけではなく銃の扱いにも長けているし、かなり頼りになる人物。

それなのにいつも悩んでいる。
捕虜を殺すのに反対しまくるし、仲間がちょっとでも敵に対して人道的でない行動をとるのを邪魔したがる。
モーガンがもっと残酷でド派手なキャラだったら面白かったのに、この一番強いのにウジウジした中途半端なおっさんのせいでドラマのスピード感が一気に失速してしまった感は否めない。

また、シーズン8の最後のほうではモーガンが敵に情けをかけることをやめて非情に徹するようになるのだが、そうなったのも束の間、今度はこのおっさんがおかしな幻覚を見出して精神不安定になっていく。
実際人間の精神はそのくらいナイーブなものなのかもしれないが、わざわざモーガンみたいな超強いキャラをそんなリアルにナイーブな設定にしなくても良いじゃないか？
もっとハジけたキャラとして活躍してほしかった。

スピンオフのフィアー・ザ・ウォーキング・デッドでもシーズン4以降にモーガンで出てくる。
正直かなり期待してしまった自分がいたのだが・・・実際に観てみたところ、なんとモーガンはフィアー・ザ・ウォーキング・デッドまで致命的につまらなくしてしまった！！笑
シーズン3まではかなり面白かったフィアーザがなんとシーズン4以降はとても見てられないほどつまらなくなり、このつまらなさは本家ウォーキングデッドよりも酷い。
そしてモーガンはなんとフィアーザの主人公的な立ち位置なのである・・・

シェーンは死ぬべきではなかった

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シーズン1やシーズン2でリックの親友・ライバル、そしてリーダー的存在として大活躍していたシェーン。
そもそもこの人は死ぬべきではなかったのではないか。

シーズン3以降に出てくる敵、つまり総督やニーガンなどは基本的にリックとはもともと無関係の見ず知らずの他人なわけだが、シーズン2の最後に敵となってしまったシェーンだけはもともとリックの親友であり、さらにリックの妻ローリとも特別な関係となっており、カールも世話になっていたりと、リックとは複雑な因縁のある相手だった。

この男はもともとリックとともに警察で働いていたため戦闘能力や危機対応能力が優れているというのもうなずけるし、なにより見た目がかなりのタフガイなので敵のボスキャラとしてぴったり。
数々の因縁が物語に深みを与えることができたのではないか。

シーズン2で決別したとしても、その後もシェーンはシェーンで別の場所で生き抜いて、最後に戦わざるを得ない事態となるとか。
変に和解するとかではなく、その頃はお互いに背負うもののためにドロドロの対決をするみたいなのはどうだろう？
次から次へと知らない敵と戦うよりも、せめてひとりくらいはそのような因縁を残した相手がいたほうが面白かった気がする。