映画「怒り」を観た感想とざっくりしたあらすじ

映画
レビュー
投稿日：2019.07.15

(C)2016 映画「怒り」製作委員会

これはかなり面白い映画だった。クオリティの高いシリアスなサスペンスである。
個人的にこれまで見た邦画で面白くて印象に残っているのは、告白、悪人、容疑者Xの献身、八日目の蝉、等。
趣味の合いそうな人にはおすすめ出来る映画だと思う。

豪華俳優陣の中でひときわ光っていたのは

出演している俳優陣も豪華。
出てくるのはだいたい主演をやってそうな人ばかりで、渡辺謙、妻夫木聡、広瀬すず、宮崎あおい、松山ケンイチ、綾野剛、森山未來などなどそうそうたるメンバー。高畑充希もちょい役でちょっとだけ出てる。

どの俳優さんも演技力に定評のある人ばかりだが、特に演技が光っているのは宮崎あおいだった気がした。
役柄でちょっと頭の足りない感じとか、ギャーギャー泣きわめく時の鬱陶しさとか、もう本当にこういう人間になりきってる感じがすごかった。

映画「怒り」のざっくりしたあらすじ

最後のほうまで事件の真相が分からない系のサスペンス映画なので、ざっくりと簡単にあらすじを書いてみる。
映画の最初は、東京の八王子で起きた殺人事件の現場を調べる刑事たちのシーン。
完全に頭がイカれてる犯人による血みどろのぐっちゃぐっちゃな現場で、壁に血文字で「怒」と書き残してある。

日本の三箇所に現れた正体不明の男

犯人は顔を変えて逃げてるらしく、捜査はその後なかなか進展せずに時が経つ。
そんなある時、日本の三箇所にそれぞれ正体不明の男が現れ、地元の人とちょっとずつ関わりながら暮らし始める。
ちなみにこの三箇所に関連性があるわけではなく。三箇所に現れた男たちの間にもなんの関わりもない。
ただ単に同じ時期にそれぞれがそれぞれの事情を抱えて、それぞれの場所で生活を始めただけ。

三箇所というのは東京のど真ん中、千葉の港町、沖縄の離島。
東京で暮らし始めるのは綾野剛が演じる男、千葉は松山ケンイチ、沖縄は森山未來。
この三人のうちの誰かが八王子の事件の犯人なのだ。
で、残りの二人は事件とはぜんぜん関係ない。

そしてこの三人の共通点・・・みんな目が細い！
犯人は整形して顔を変えたってことだけど、なんか目が細い感じの人相イラストが全員に似てるのである。

三つのストーリー構成のクオリティが高い

この映画では三つの場所でのストーリーが交互に描かれる構成になっている。
先にも書いた通り、三つの場所に関連性があるわけではなく、登場人物の誰にも関係性はない。
つまり最終的に物語がひとつにつながっていくというわけではない。

これを聞くと、映画という短時間の作品の中では三つの地域の物語をきちんと深いところまで描けていないのではないかと心配になるのだが、実際にこの映画を見てみるとそんなことは全くない。
それぞれの地域でのストーリーはそれぞれがきちんと重要なところだけをうまいこと描いているので、端折ってる感はぜんぜんなくて、それがこの映画のもっともクオリティが高い点なのではないかと感じた。