ハンドメイズ・テイル第3話「期待」レビュー評価(ねたばれ)勝手に期待し凄まじい勢いで逆ギレするセリーナ・ジョイ

ハンドメイズ・テイル

出典:Huluプレミア「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」(C) 2017 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.

オブグレンが消えた。
性の反逆者であることがバレて逮捕されてしまったのだ。
せっかく親しくなった友人がいなくなってしまったこと、また、レジスタンスと何らかの関係があったオブグレンに希望を抱いていいたため、オブフレッドはショックを隠せない。

以前から何かを知ってる風だったニック

こうなる前から、オブグレンは危険な存在であるため関わらないほうがいいとオブフレッドに警告していたのが運転手のニック。
このことから、ニックはただの運転手ではないことは明らかだ。

だが政府側の人間なのかレジスタンス側の人間なのかこの時点ではまだ判断がつかない。
いずれにしてもニックがオブフレッドに個人的な好意で忠告してあげているということは事実のようだ。つまりニックがもし政府側の人間だったとしても、政府側の人間がみんな完全に洗脳されたマシンのような心の無い人間というわけではなく、感情もあり相手を見てある程度行動を決めているということだろう。
洗脳されているわけではないのにこのような社会のあり方に従い暮らしているというのはまたひとつ疑問だが。

オブフレッドが妊娠したと勝手に勘違いして期待しだす人々

ある日を境に、司令官の家の人々が突然オブフレッドに優しくなり、身体をいたわりだす。
オブフレッドが予定の日から数日間生理用品を使っていないことから、妊娠したのではないかと勝手に期待しているのである。
女中やセリーナ・ジョイの態度は、子供を授かることがいかに重要なことかをうかがわせるものだ。

冷静な人間であれば数日生理が遅れている程度のことでそこまで妊娠への期待を膨らませることはないが、この社会の人々は子供ができることに対しては到底冷静な判断を下すことができない状態なのである。

ギレアド建国時、市民は普通に生活していた?

回想シーンではギレアドが建国される過程が描かれている。
オブフレッドが働いている会社にライフルを装備した兵士が押し寄せてきて物々しい雰囲気に包まれ、上司が社員たちに、女性はもう働くことができないと法律で決まったためすぐに帰ってほしいと告げる。

またある時は、多くの市民と共にデモに参加していたオブフレッドと親友のモイラ。
兵士が市民に対し躊躇なく発砲しデモ隊を殺すのを目の当たりにする。

法律が変わるような事態なのに何も知らずに出社するのか?

大勢の武装した兵士が街を制圧していく様子が描かれているわけだが、それに敵対する勢力がいないのは何故なんだろう。
オフィスの人々は何の危機感もなく普通に仕事しているところ、寝耳に水のような形で法律が変わったことを知らされている。

法律が変わるような事態ならせめてニュースで騒がれているだろうから、誰でも知ってる重大事件だという認識はありそうなものだ。
そんなことすら何にも知らず普通に出社してるっていう設定はさすがにあり得ない。

いかに平和ボケした人々だったとしても、ここまでいったらさすがに市民は普通に仕事してないだろうし、もうちょっと危機感を持って兵士に対峙するのではないかと思う。

兵士たちに対抗する勢力が全く出てこないのが不自然

また、デモ隊はまさか兵士が市民に発砲するとは思わずに平和なデモを繰り広げているように見える。
多くの兵士が武装して好き勝手やるところまで事態が進んでいる状態なのに、それに敵対して対抗している武装した勢力が出てこないというのはどうなんだろう。

普通の市民 vs ギレアド建国兵士という形ではなく、内戦なんだったらもっと内戦らしく見えるような、兵士 vs 兵士のような展開を挟んだほうがドラマとしてクオリティが高まったんじゃないだろうか。

ニックの忠告を無視して勇敢に振る舞うオブフレッド

オブフレドは運転手ニックにオブグレンが消えたことについて何か知っているか尋ねるが、ニックから無理をして勇敢に振る舞うのはやめるように諭される。
家に戻ると政府の人間が待ち受けており、オブフレッドは尋問を受けることになる。
オブグレンと親しかったオブフレッドは性の反逆者なのではないか、あるいは、レジスタンスの仲間なのではないかと疑われているのだ。

オブフレッドはオブグレンが性の反逆者であることを知りながらそれを黙っていたことを責められる。
ここでオブフレッドは(ニックから忠告されていたのに)勇敢な態度をとってリディアおばに反抗する。

悔しかったからなのかもしれないし、オブグレンへの友情がそうさせたのかもしれないが、なんとなく恐れ知らずになってこんな振る舞いをしてしまうのは人間たまにあるものだ。なんか分かるなぁと思った。
そしてあの恐ろしいリディアおばは電気棒でオブフレッドをぶん殴るが、その殴りっぷりも見事なものだ。

ニックがオブフレッドに惚れてるのはほぼ確実

夜、運転手ニックはオブフレッドを心配して部屋を訪れ、昼間オブフレッドを警察へ引き渡したことの後悔を告げる。
ニックとしては立場上仕方なくとった行動だったのだが、オブフレッドを心配する態度は本心であることが見受けられ、オブフレッドに好意を抱いていることはほとんど間違いないだろう。

逆ギレっぷりが見事なセリーナ

セリーナはもはやオブフレッドが完全に妊娠したものと思い込んでいる状態。
しかし、オブフレッドは昨夜生理が来たことを告げる。
セリーナは期待を裏切られたとばかりに逆上しオブフレッドに怒りをぶつける。
オブフレッドを無理やり部屋に閉じ込め、部屋から一歩も出るなと言う。

部屋から出ないことがなんの罰なのかよく分からないが、この先がキツイわよと意味不明な捨て台詞を残して去って行く。
自分が勝手に妊娠したものと思い込んで勝手に期待していただけなのに、ここまで逆ギレして相手を責めるあたりがちょっとすごい。
この時のセリーナの怒りっぷりは実に見事なものである。

生殖能力があるため生かされるオブグレン

政府に逮捕されたオブグレンは形だけの裁判であっという間に有罪となり、関係していた女中は殺されてしまう。このシーンはまるでHOMELANDシーズン3の最後のようだ。
オブグレンは生殖能力があるため生かされるが、手術され、子供を授かることはできるが、禁じられたものを欲することができない身体にされてしまう。

このことで絶望したオブグレンの表情とアップテンポな曲がこのエピソードのラストとなるが、意味不明な感じもするが、なんとなくオブグレンん混乱や怒りも伝わってくるようで、なかなか面白い演出だ。


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