LOSTを数ヶ月かけて全シーズン2回目を見た感想
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往年の超名作海外ドラマ「LOST」は、TWENTY FOURと並んで海外ドラマブームのはしりとなった作品だと思う。
私も昔LOSTがリアルタイムで放送されていた頃にかなりハマって見ていたのだが、それから長い年月が経ち、ここ数ヶ月かけてほぼ毎日1話ずつ見ていた。
数ヶ月かけて見終わって、今は結構感慨深い思いもあるので、その思いを吐き出すためにここに思ったことをつらつらと書いていきたいと思う。
ラストシーンのことなどを多く書いていてものすごいネタバレなのでご注意ください。
オリジナリティがあって本当に面白いドラマ
全部を見た感想としては、かなり面白かった・・・!
数ヶ月ずっと見ていたので、終わってしまった今は少々寂しさすら感じる。
シーズンは6までだが、1シーズンごとのエピソード数が20以上あるものもあってかなり長いし、シーズンごとに話が変わるわけではなく、ずっと続いている構成になっているので、ものすごく長いストーリーを見た感じがする。
何と言ってもこのドラマはストーリーにオリジナリティがあるのが良い。
こんなストーリーのドラマは後にも先にもこのドラマだけだろう。
シーズン1と2は何だかほのぼのした感動狙いのシーンが多くてそこまでシリアス感がないのだが、これはこれで登場人物たちがお互いのことを知り合って仲良くなって絆が深まっていく過程と考えるなら必要だったのかなと思うし、それを経てのシーズン3以降のシリアスな展開は実に楽しめた。
後半のストーリーはほぼ忘れていた
とても面白いドラマという記憶はもちろんあったのだが、後半のシーズンの内容はほとんど忘れていて思い出せず、断片的に、例えばジュリエットが穴に落ちて死ぬシーンだとか、マイケルが貨物船みたいなとこで働いてるだとか、島を脱出する時にヘリコプターが重量オーバーでソーヤーが自分から海に飛び込むだとか、なんか神殿みたいなとこが出てきたシーンだとか、そういう程度しか覚えてなかった。
初めて見るドラマのように楽しめた
もう一度見始めたら思い出すかと思いきや、シーズン1や2あたりは覚えているのだが、シーズン4くらい以降は見ても全然思い出すことはなく、初めて見るドラマと同じように楽しむことができた。
後半は話が複雑過ぎる
なぜ後半のシーズンはほとんど記憶に残ってなかったのかについて、今回見ていた思ったのだが、話の内容が複雑過ぎたり、タイムスリップとかの関係で時系列がごちゃごちゃだったりして、最初見た時はちゃんと理解していない部分が多すぎたためだろう。
ラストシーンすら意味が分かってなかった
ファイナルシーズンのラストシーンでは、ジャングルの中で寝転がっているジャックの横に犬のビンセントが駆け寄ってきて、ジャックが空を見上げると飛行機が飛んでるという絵面だけ記憶に残っていた。
間違っていた記憶のラストシーン
私の間違った記憶では、ジャックがどこかから突然ジャングルの中に瞬間移動みたいにして出現し、気が付くと横たわっていて、目が覚めてまぶたを開けると空に飛行機が見えて、その飛行機は最初にジャックたちが乗っていた飛行機で、それは墜落せずにそのまま島の上空を飛び去っていく?みたいな・・・何となくそんな風に頭に残っていたのだが、このラストシーンすら全く意味が別物で面白いほど間違っていた。笑
ラストシーンの正しい意味
そしてラストシーンの正しい意味は以下の通り。
この時ジャックは瞬間移動したのではなく、島の心臓部で石を元に戻すことで島が沈没するのを防ぎ、そのままそこで気を失い、気がつくと滝壺みたいなとこに流れ着いていて、その前に煙の怪物に刺されて重傷を負っていたために瀕死の状態のジャックはよたよたとジャングルを一人で歩いてきて、最初に飛行機が墜落したあたりの場所まで歩いてきたジャックがついに力尽きて横たわるとそこにビンセントが駆け寄ってきて一緒に添い寝してくれて、空を見ているジャックはソーヤーやケイトたちが乗って島を脱出していった飛行機が飛んでいくのを確認して安心し、とうとう死ぬ(目を閉じる)というのがラストシーンの正しい意味。
目を覚ますのではなく、目を閉じて死ぬという・・・完全に逆の理解をしていたとは、まったくひどい誤解をしていたものである。笑
つまり最後にジャックが死ぬということすら分かってなかったのだ。笑
パラレルワールドではなかった
このドラマは最初の頃からずっと、島に墜落して島でサバイバルしている登場人物たちのシーンと、それぞれの登場人物の過去の話が交互に描かれるような構成になっている。
途中からは過去ではなく未来(島を脱出した後のジャックたちの生活とか)だったりもするのだが、とりあえずそんな風に構成されている。
飛行機が普通にロスに到着する世界
そして最後のほうでは、30年前の世界で水爆を爆発させれば、過去を変えてそもそもジャックたちの飛行機が墜落しないように出来るということで、ジュリエットが命がけでそれを成し遂げるわけだが、その時点からは島の人々の生活ともうひとつ描かれるのはジャックたちの飛行機が墜落せずに普通にロスに到着する世界である。
ミッション成功?
また、このミッションによって瀕死となったジュリエットが死ぬ間際にソーヤーに「成功した」と言い残して死ぬ。
この言葉もあって、てっきり私は過去を書き換えるミッションは成功し、現代ではジャックたちの飛行機が墜落せず、しかし何故か島にいたジャックたちも消えることなくそのまま島に残ってしまった(つまり島とアメリカに同じ人がいて、同じ時間に同じ人間が重複して存在している)のかな?と思っていた。
シドニーに行く以前の過去が違う
ただ、意味が全く分からなかったのは、この時のロスの世界ではジャックになぜか息子がいて元妻がジュリエットだとか、詐欺師だったはずのソーヤーがマイルズと一緒に警官をやっていたり、ロックは父親と険悪な仲ではなかったり、以前の世界とは全然違う人生になっているのである。
シドニーからロスに着いた後の人生が変わるなら意味が分かるのだが、シドニーに行く以前の人生が全くの別物になっているということである。
まあ、他にも意味不明な謎が多いドラマなのでそれほど気にせずそのまま見ていたのだが、最終話の最後の最後でようやくこの意味が分かった。
これはパラレルワールドのような世界ではなく、現実の世界の話ではなかったのである。
つまり飛行機が墜落せずにロスに到着したわけではないということ。
それは死後の世界だった
それを説明しているのが、最後の最後にロスの教会でのジャックと彼の父親(クリスチャン・シェパード)の会話だ。
ジャックが「父さんは死んだの?」と聞くと、父親は「ああ、死んでるよ」と答える。
そしてジャックが「じゃあなぜここにいるの?」と聞くと、父親は「お前はなぜここにいるの?」と聞き返す。
つまりそこにいるジャックも死者であって、ジャックだけでなくそこにいるケイトやソーヤーやその他の人々も死者ということ。
私が飛行機が墜落せずロスに到着した世界だと思っていたのは、ジャックやその他の登場人物たちが死後に集まり、死ぬ前の世界で思い残したことやわだかまりなどを解消するために自分たちで作り上げた場所だったのだそうだ。
この世から去るため
また、この教会に皆んなを集めている時にデズモンドが「去るため」ということを何度も口にしている。
この言葉も意味不明なまま見ていたのだが、これはおそらくこの世の世界から去って、次の世界(天国とか?)に行くということを意味しているのだと思う。
時間という概念は無い
クリスチャン・シェパードはジャックとの会話の中で「お前より先に死んだものもいれば、お前よりずっと後に死んだものもいる」という趣旨の発言をしているが、その場所には時間という概念がないので、死んだ時期は関係ないらしい。
実際、ラストで島を脱出したケイトやソーヤーはその後も生き続けたはずだし、ハーリーやベンに至っては、島を守る人(ジェイコブがやっていた役目)を引き継いだわけだから、おそらくその後も何百年とかの長きに渡って生きていたのかもしれない。
教会の前でハーリーはベンに「君は最高のナンバー2だったよ」と言い、ベンは「君は最高のナンバー1だったよ」と言う。
この会話からも、ジャックが島で死ぬラストシーンの後も、ハーリーとベンがずっと協力して島を守っていたということが分かる。
シーズン6の前半は面白くなかった
シーズン3〜5くらいは非常に面白くて毎日1話ずつ見るのを楽しみにしていたのだが、シーズン6の前半あたりは明らかに失速していた。
このシーズン6前半というのが島にあるテンプルと呼ばれている場所を舞台にしている話で、何を隠そうこの辺の話には日本の俳優・真田広之さんが重要な役で出演しているのである。
日本人としては喜ばしいはずなのだが、はっきり言わせてもらうとこのあたりの話が一番面白くなかった。
アメリカのドラマにたまにありがちな傾向なのだが、日本っぽい雰囲気を取り入れようとすると、日本人から見ると異様に安っぽくて偽物感満載のストーリーになってしまう。
例えば超面白いドラマ「ウエストワールド」もシーズン2に突然江戸時代の日本みたいな場所が出てきてめちゃくちゃつまらなくなったが、これに通じるものがある。笑
テンプルが壊滅したら面白いドラマに戻った
このままつまらない状態で終わってしまうのかな・・・と不安になっていたところ、煙の怪物がテンプルを壊滅させた後はすっかり元通りに面白いドラマに戻ってくれた。
最後のほうでロスにいる登場人物たちがそれぞれの島の記憶を取り戻していくシーンなんかは、お涙頂戴の話が嫌いな私でさえも感動してしまった。
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他にも色々書きたいことがあるので、今後もこの記事に書き足していこうと思っています!
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