ハンドメイズ・テイル/侍女の物語 第1話「オブフレッド」あらすじ(ネタバレ)囚われるも孤独に闘うオブフレッド
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出典:「The Handmaid’s Tale」(原題)(C)2017 MGM Television Entertainment Inc. and Relentless Productions LLC. All Rights Reserved.
サイレンを鳴らすパトカーに追われる。夫のルークがハンドル操作を誤り道路脇の林に突っ込む。
タイヤが空転し抜け出すことが出来ない。焦ったルークは妻と子を森の中へ逃がし、追っ手を足止めするため自分はそこに残った。
娘を抱きながら森を走るジューンは今逃げて来た方向からの銃声を聞く。夫への心配と絶望。しかし娘を助けるためには引き返すわけにはいかない。
だが娘を抱いたままでは速く走ることもできずやがて追いつかれ捕まってしまう。
ここでジューンは娘と引き離されそれぞれが別々の場所に連行されていくことになるのだった。
このドラマの設定まとめ
エミー賞で作品賞を含む5部門を受賞した期待大の海外ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」は以下の特徴的な設定のもとで進められる物語だ。
- 世界中の多くの女性には生殖能力がなくなっており、まだ妊娠できる能力が残っている女性は非常に貴重な存在。
- アメリカ合衆国ではクーデターが起き、内戦の末にギレアドという圧政国家に変わっている。いまだ戦争は続いているがギレアドは戦争を優勢に進めている。
- ギレアドは独特の価値観に重きをおいた国で、それが法律や政治の中に大きく反映されている。その中のもっとも特徴的なものが、生殖能力のある女性が「侍女」になることを強制されていること。
- ギレアド国において「侍女」とは、不妊の妻に代わり大物司令官の子供を産む義務を課せられている女性を指す。
連行してきた女性を教育する施設(センター)にて
ジューンが連れてこられた場所は、無理矢理連れて来た女性を侍女として教育するための施設(センター)だった。
そこでは彼女と同じように連行されてきた生殖能力のある女性たちが、リディアを始めとする“おば”たちからの講義を受けていた。
初めてセンターに来た日、ジューンは昔からの親友モイラを生徒たちの中に見つける。内戦の最中ギレアドから逃げる際、一緒に行動することができずその行方が気がかりだった彼女。たまたまセンターで出会えたことはジューンにとって唯一の救いとなる。
「娘に会いたいなら気をしっかり持て」
ジューンはモイラに励まされながらその辛い日々を耐えることになるのだった。
ウォーターフォード司令官宅の侍女として生きる
オブフレッドと名前を変えさせられたジューン。彼女は侍女としてギレアド国の大物司令官ウォーターフォード家に仕えていた。
司令官の妻セリーナ・ジョイから家のルールなどの説明を受けるオブフレッド。
「なるべく私の目に触れないで」
夫と子作りをすることになるオブフレッドに対してセリーナはきつい目を向けているようだ。
子作りの他に生活用品の買い物も侍女の仕事のひとつ。
近所の侍女と2人1組のペアとなり歩いて買い物に出かける。オブフレッドのショッピングパートナーはオブグレンと名付けられた女性。
彼女は敬虔な女性で本来のオブフレッドとは正反対の性格。仮面を被って日々を過ごしているオブフレッドにとってオブグレンは話の合わない相手だった。
侍女同士が腹の探り合いをしながら誰にも心を許せない
買い物の時はそれ以外の侍女とも顔をあわせおしゃべりをする。
侍女の中には、ギレアドに心服しているもの、オブフレッドのように心の中では反抗心を抱いているもの、さらに反乱軍と何らかの繋がりがあるものもおり、それぞれが腹の探り合いをしながら監視しあっているような状況。
本心を打ち明ける友達のような存在を得るのは難しかった。
街のいたるところでライフルを持った兵士(守護者)が警戒しており、川沿いにはギレアドの法律により罰せられた人々(あるいは反乱軍の兵士?)の遺体が吊り下げられていた。
オブフレッドの暮らすウォーターフォード家の中だけを見ると一見平穏な暮らしをしているように見えるが、実際にはこの国はまだ戦争の最中にあるようだ。
性欲とは切り離して行われる子作りの儀式
侍女の最も重要な役目は子供を産むこと。そのための行為は儀式と呼ばれている。
侍女は身体を清め、司令官やその妻、さらにその家に仕える運転手や女中も一緒にお祈りをしてから、儀式は執り行われる。
儀式の最中はベッドに座った妻の両足の間に侍女が身体を横たえ、妻と侍女が一体となったかのような体裁のところへ司令官が行為を行う。
そこには性欲というものは存在しないかのように振舞われ、なんとも奇妙な光景なのだが司令官はしっかり侍女の中に種を放出する。
この状況でポーカーフェイスのままそれができる司令官。それはそれで結構すごいことなのかもしれない。笑
鐘が三つ鳴ると「救済の儀」
遠くで鐘が三つ鳴ると「救済の儀」が始まる。
ギレアドにおいてこの「救済の儀」というのは、罪人に死刑を執行する集会のようなものを指しているようだ。
集会場へ向かったオブフレッドはセンター時代から顔なじみの侍女たちと近況を報告しあう。
「モイラは?」
彼女は逃げようとして捕まり死んだという噂を聞きオブフレッドは衝撃を受け動揺を隠すことが出来ない。
高ぶったオブフレッドの殺人キックが炸裂!
この日の救済の儀はレイプ犯の死刑を集団執行するものだった。
侍女が罪人に対し、死ぬまで集団で暴行を加えるという恐ろしく原始的な刑である。
モイラの死という衝撃的な噂を聞いたオブフレッドは感情が高まり、そのせいか罪人への攻撃を自ら率先して行う。
わずか二発目(腹部へはたぶん一発目)の蹴りで口から鮮血を吹き出す屈強な男。
彼女の蹴りの威力がどれほど凄まじいかを物語っている。
転がった罪人に対しその後も連続して容赦のないグチャグチャ攻撃をお見舞いするオブフレッドの形相が凄まじい。
なぜ死刑の執行を侍女が行うシステムになっているのかは全く意味が分からないところだが、とにかくギレアドにおいてそれは侍女が果たす役目のひとつになっているようだ。
格闘のプロはスマートに汚れず攻撃を続ける
刑が終わった時、前列で攻撃していた侍女の多くが男の返り血を顔に浴びていた。しかしオブフレッドは最前列でずっと攻撃を続けていたのに顔にまったく血が付いていない。
やはりこの格闘のスペシャリスト。男が血を吹き出す角度すら計算して自分の打撃を繰り出していたのだろう。興奮し自分の中から湧き上がってくる凶暴性に身を委ねているように見えても、実はどこかに冷静な判断能力を残しているあたりはさすがとしか言いようがない。
「あなたの家には“目”がいる」
救済の儀でのオブフレッドの様子。モイラが死んだと聞いて取り乱す彼女を見ていたオブグレンは、オブフレッドが信用できる相手だと判断したらしい。オブグレンは自ら心を開き、身の上話を切り出す。
お互いに信用できない相手だと思っていた二人だが、この日初めて打ち解けることができる。
オブグレンには以前妻と子供がいたが、彼女だけがギレアドに捕まってしまったらしい。
そう、オブグレンは同性愛者だったのだ。
「あなたの家には“目”がいる。用心して」
別れ際、オブグレンは告げた言葉。(「目」=ギレアド政府から放たれているスパイのこと)
娘に会うために何としても生き延びることを心に決めているオブフレッドは、もし本当に家の中にスパイがいるのであればこれまで以上に慎重に行動しなければならない。
この誰も信用することができない状況で、彼女は孤独な闘いを続けて行くことになるのだった。
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