マシュー・マコノヒー主演映画「追憶の森」あらすじと感想(ちょっとネタバレ)

マシュー・マコノヒー主演映画「追憶の森」

(C)2015 Grand Experiment, LLC.

映画「追憶の森」はマシュー・マコノヒーと渡辺謙が主演する映画。舞台は日本の富士山の樹海。ちなみに舞台が日本で日本人の俳優も出演しているが、日本の映画ではなくアメリカの映画である。

映画「追憶の森」あらすじ

アーサー(演:マシュー・マコノヒー)はアメリカで暮らす大学の先生。
妻のジョーン(演:ナオミ・ワッツ)が亡くなったことをきっかけに自分も死のうと思い立ち、ネットで検索して富士山の青木ヶ原樹海のことを知る。
樹海にやってきた彼が森の奥までやってきて睡眠薬を飲んで死のうとしていた時、タクミ(演:渡辺謙)が森の中で泣いているのを発見する。

話しかけるとタクミは「家族のところに帰りたいが森を出られない」と言う。
アーサーはタクミを森の出口まで送り届けようとするが、今度はアーサーも方角が分からなくなり二人で遭難した状態となり、森の中を彷徨い歩くこととなる。
途中岩から落ちて怪我をしたり、突然の大雨に凍えそうになったり散々な目に合うが、お互いのことを話しながらやがて二人は打ち解けていく。

生きて家族のところに帰りたいというタクミを助ける作業は、アーサーにとって自分自身と向き合うための時間となった。
タクミの命を救うことで彼は自分が生きる目的を見出したのだ。
果たして二人は無事に樹海から出ることができるのか?

見どころ:森が美しい

追憶の森

(C)2015 Grand Experiment, LLC.

樹海という言葉からは、もっと鬱蒼とした暗い森をイメージするのだが、本作の森の映像は非常に美しい。
ウィキペディアによれば、本作の撮影は主要な部分はアメリカ北西部で行われ、その後日本でも撮影されたという記述がある。本作のほとんどのシーンは樹海の中でのシーンなので、つまりおそらく森の映像はアメリカの森なのだろう。

周辺の森を見渡せる見晴らしの良い場所があったり、木々の合間から差し込む日光が輝いていたり、昼間の森は日本人が抱いている樹海というイメージとは程遠い光景で描かれているように感じた。
これが良いか良くないかは別として、美しい森の映像自体が本作の見どころのひとつにはなっていると思う。

青木ヶ原樹海が海外でも有名だったとは!

日本で自殺が多いとされる場所として有名な青木ヶ原樹海。
この名前を聞いたことのある人は日本人ならかなり多いだろう。
しかしそれはあくまで日本だけの話だと思っていた。

しかし、主人公アーサーはアメリカでこの場所のことを知ってわざわざ日本にやってくる。
物語の中で出てくるご遺体を調べるとドイツ人のパスポートを持っていて、タクミが「世界中から自殺したい人が集まってくる」というシーンがある。
この話は衝撃だった。
世界的に青木ヶ原樹海がこんなにも有名で、外国の人がわざわざここに来て死んでいるとは・・・

アーサーが見つけるご遺体の数々

さらに衝撃なのは、主人公アーサーが森の中を歩いていると次々とミイラ化したご遺体、白骨化したご遺体を見つけるのである。
そして映画の中での字幕解説で「○○○○年には○○○○(非常に多い数)体のご遺体が発見された」というのもあった。
マジか・・・・・!

青木ヶ原樹海は自殺が多い場所というのは昔から聞いたことはあったが、どこか都市伝説のような話に感じていた。しかし現実に本当にこんなに多くの自殺がある場所だったとは!
本当にビックリです・・・
でもこんな映画をアメリカで作って世界で放映されてしまったら、さらに世界的に有名になってどんどん自殺したい人が集まって来てしまうのではないだろうか?

日本人役がちゃんと日本人なのが良い(笑)

アメリカの映画やドラマを見ていると、日本人の役を中国人や韓国人が演じていて日本語が変なイントネーションなことが非常に多い。
しかも忍者とか侍とか、妙に和風(江戸風?)すぎる変な置物とか・・・そういうのを強調しまくってて日本人から見ると白けてしまうことがある。
そういうことをされるとそれを見た海外の人からますます日本とはこういうものだという誤解をされそうで迷惑だなと思っていたのだが、本作では日本人の役をちゃんと日本人らしき人がやっていて日本語の発音が普通なのが良かった。

ただし、逆にひとつ誤解されそうだなと思ったのだが、日本人がみんな英語ペラペラだということ。
タクミも最初から余裕で英語ペラペラでアーサーと会話するし、他に脇役で出てくる日本人もみんな英語ペラペラ。
普段外国人の観光客から道を聞かれる時など、一切の躊躇なく英語でベラベラと話しかけてくる外国人(欧米人)がいるのだが、あれは完全にこちらが英語を話せると思い込んでいる証拠だ。
こういう映画を世界で放映されると、ますますそのような誤解が広まってしまうような気がした。笑

成仏すると咲く花?

アーサーとタクミが森を彷徨っている時、唐突に花が咲いているのをタクミが見つけて「成仏すると花が咲くと言われている」というシーンがある。
この花が物語終盤でもも一度出てくるのだが、この花は何の花なのだろう?
最初は花が一輪だが、アーサーがアメリカに持ち帰って庭に植えるのを見ると成長して複数の白い花が咲いている。

複数花があるところを見るとどうも胡蝶蘭にも似ているような感じだが、胡蝶蘭って屋外に植えるのかな?
それ以前に、わざわざ日本の森から一輪の花を持ち帰って飛行機の機内に持ち込んでアメリカに植えるって・・・ちょっとこのくだりはいらなかったんじゃないかなと・・・映画を観た人からのツッコミどころを作ってしまってる感がある。笑

Pagetop